中3女子

私は今、総合学習でシンナーや覚せい剤などの薬物について調べています。
めばさん、未来の大人たちに何かメッセージを頂けませんか??


【回答】めば
現在では、シンナー・覚せい剤などの違法薬物に加えて、病院や薬局で簡単に手に入れることのできる合法ドラッグまで、Web上で様々な情報を入手することができます。
年令や地域に関わりなく、誰でも薬物に手を染めることが容易な世界にわたしたちは住んでいるのです。
ひとむかし前に比べると、薬物を手に入れるための めんどうな「苦労」もあまりなく、使ったあとの「罪悪感」も薄いのです。
「軽い気持ちで使ったのだから、いつでもやめられる」という勘違いをする若い人 たちが増えてきて いるような気がします。
しかし、薬物を使い続けているうちに、薬物依存という病気になり、意志の力ではやめられなくなるのは、100年前も今も変わりません。
なぜなら、薬物依存と いう病気は、薬物と脳との関係の病だからです。
シンナーや覚せい剤を使いつづけていると誰でも薬物依存症という病気になる可能性があるということを、まずしっかり頭に たたき込んでおいた方がいいとわたしは思います。

もし、薬物を一緒に使うことを誘われたとき、どう断るかということについて、皆さんは今まで学校で教わったり、なにかで読んだことがあるかもしれません。
わたしは、誰に誘われたわけでもなく自分一人ではじめたので、誘われた経験はありません。
その代わり、誘った経験は山のようにあります。
わたしが、22歳のころのお話です。
シンナーと鎮痛剤と大麻の乱用でボロボロになったわたしは、住んでいた東京から実家のあった神戸に連れ戻され、精神科病院に入院することになりました。
師走だったので年が明けてからの精神科への入院ということになり、数日を実家で過ごすことになりました。
高校生の弟の部屋を2つにカーテンでしきり、そこでお正月の間、寝起きしました。
家族に内緒でわたしは大量の大麻マリファナ)を持ち帰っていました。
夜、こっそり大麻を吸っていたら、「こげ臭いなあ。畳こがしてるんじゃない?」と弟がカーテンを引き開けました。
狂っていた私は隠すどころか開き直って、高校生の弟に大麻を勧めました。
弟は間髪をいれずわたしに「僕は薬物はやらない。そんなのやってたら人間ダメになる」と言い放ってさっとカーテンを閉めました。
その時の弟の表情や声音は、今もわたしの記憶の中に深く刻みつけられています。
薬物を誘う方にとって(私はやらない!)という返事くらい堪えるものはないのです。
もしあの時、弟が長々とわたしに薬物をやめるよう説教したり、弟が薬物をやらない理由についてあれこれとわたしに説明しだしたとしたら、わたしは、なんとしてでも、弟に大麻を吸わせようとアノ手コノ手を使ったことでしょう。
しつこいセールスマンを断る一番効果的な方法は、相手の話を聞かずに「いらない!」と一言意思表示をしてドアをさっと閉めてしまうに限ります。
薬物の誘いを断るのもこれと同じです。
「私」を主語にした短い意思表示とその場をすぐに立ち去ること、です。