みー/29歳女性

はじめまして。私の妹のことで悩んでいます。
妹は10年ほどシンナーを吸い続けています。
母が取り上げても取り上げてもまたどこからか手に入れてきます。
母や彼氏がどんなに説得しても その時は涙を流して「反省してる、ごめんなさい」など言うんですが、すぐに同じことの繰り返しという日々がずっと続いています。
その彼女が結婚して妊娠が分かった時、私も母もこれをきっかけに止めるだろうと期待しましたが駄目でした。
幸い元気な赤ちゃんが生まれ、「守るべき子ができると変わっていくのでは?」……と期待したのですが実家に子どもを置いてどこかにシンナーを吸いにでかけます。
妹のことはひどいと思われるかもしれませんが私にはどうでも良いんです。
何回も同じことの繰り返しで、そのたびに喜んだり、裏切られて悲しんだりすることに疲れたので……。
ただ、母はずーっと苦しんで悲しんでるので、母のために妹の依存を止めさせたいと思ってます。
子どもができても止めれないシンナーを止めさせることは可能なのですか?
私が母の気持ちの受け口になっているんですが、正直私の気持ちはどこにも持っていけなくて辛いんです。
こんなことになってる家族って、うちだけ? 何で? ごく普通の幸せしか望んでないのにそれも無理なのかな……?
めばさん、何か良い方向へ向かえるようなアドバイスをお願いします。
長々とすみませんでした。


【回答】めば
みーさん、返事が遅れてごめんなさい。
わたしの心はもうシンナーなんかやりたくない。
でも、わたしの中の「猿」が「エサ」を欲しがっている。
「猿」とはわたしの脳のなかの(報酬系)と呼ばれる部分で、「エサ」はシンナーです。
シンナーをやめたい気持ち(心)とシンナーをやりたい気持ち(脳)がコインの裏表のように依存症者のわたしの中にあります。
依存症になったことのない人には、なかなかわかってもらえない。
涙を流しながら、「もう2度と吸わない」って何回自分に誓ったことだろう?
毎日「このシンナーで最後にしよう」と心に誓い、次の日がくるとまた「これで最後」と自分に言い聞かせながら、シンナーの入ったビニール袋に顔を埋める。
周りの人に説教をくらうと、居直るか、ひたすら謝る。
でも、わたしの心が泣き叫ぼうが、周りにいる人たちが怒ろうが悲しもうが、そんなことにはおかまいなく、わたしの中の「猿」はお腹が空くと「エサ」を欲しがった。
みーさんの妹さんはきっとわたしと同じ病気です。
だから、妊娠しようが、赤ちゃんの世話が必要だろうが、妹さんの中の「猿」はエサを求めて出て行くのです。
わたしには妹さんの気持ちが痛いほどわかります。
それと、赤ちゃんはお母さんのシンナーをやめさせるためにこの世に生まれてきたわけではありません。
赤ちゃんが、母親の病気、例えば(心臓病)や(糖尿病)などの慢性疾患を治療できないのと全く同様に、母親の(シンナー依存症)を治すことはできません。
同じように、みーさんも妹さんのシンナーをやめさせることはできません。
嘆き悲しむお母さんの気持ちの受け皿になりながら、自分の気持ちのはけ口が見つからない。
こんなつらいことは、ないですね。
でも、それは本当にシンナーがやめられない妹さんのせいですか?
妹さんがシンナーを吸うことで一番困るのは「誰」ですか?
もし、シンナーを吸うことで一番困るのが、シンナーを吸っている妹さん以外の家族の「誰か」だとしたら、その「誰か」にまず手助けが必要です。
みーさん、まずあなたご自身が薬物依存の家族のグループや依存症のことに詳しい医療機関をおたずねになって、もっともっと支援やアドバイスを受けるとともに、薬物依存症について学んでください。
都道府県の精神保健福祉センターでは、薬物依存の家族の相談に乗っているところもあります。
もし、そういったセンターで門前払いを食らったときは、大阪のFreedomという市民団体が薬物依存専門の電話相談を受け付けています
(毎週土曜日 pm.3:00~pm.7:00  TEL 06-6399-2223 無料
 http://www.freedom-osaka.jp/
薬物依存症者の兄弟姉妹の苦しみは、薬物依存症者の親の苦しみよりも、時にもっと複雑です。
それは、薬物をやめさせたいという部分では親と同調しながらも、薬物を使っている人が親に対して持っていた感情を、かって自分も共有したことがあるからです。